e-taxでの電子申告はマイナンバーカードをスマホで読み込ませるのが基本
確定申告の提出方法として勧められているe-taxでの電子申告。確定申告2022からは基本的にマイナンバーカードの中の電子証明書をスマホで読み取らせることで本人確認を行い、電子申告を行えるようになっています。
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マイナンバーカード無しでも電子申告できるID・パスワード方式
しかし、それ以前から、マイナンバーカードが無い、マイナンバーカードの中の電子証明書を読み取らせるカードリーダーが無い人でも、マイナンバーカード無しでe-taxでの電子申告を行えるようにするため、ID・パスワード方式が導入されています。
ID・パスワード方式について
ID・パスワード方式とは、「確定申告書等作成コーナー」でのみ利用できる送信方式です。
原則、申告・申請データをe-Taxへ送信する際には、利用者本人がデータを作成し、そのデータが改ざんされていないことを 確認するため、電子証明書による電子署名が必要です。
ただし、ID・パスワード方式を利用すれば、「確定申告書等作成コーナー」で作成した申告データを送信する際に、 電子証明書による電子署名が不要となります。
これは、ID・パスワード方式を利用するための手続において、事前に本人確認を行っているためです。e-Taxのメッセージボックスの閲覧については、原則として電子証明書が必要です
ID・パスワード方式は、マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応ですので、 マイナンバーカードの取得をご検討ください。
ID・パスワード方式の利用法
ID・パスワード方式を利用するためには、以下のステップが必要です。
1.税務署に行って、ID・パスワード方式の届出を作成・送信する
運転免許証などの身分証明書を持参し、税務署に行って、職員の対面による厳格な本人確認をしたうえで、税務署に設置されている端末で「ID・パスワード方式の届出」を作成して送信します。パスワードは自分で決められます。
IDは数字16桁(4桁-4桁-4桁-4桁)で、利用者識別番号とも呼ばれます。
ID・パスワード・利用者識別番号などはプリントアウトされ、税務署職員から渡してもらえます。
※紛失したり他の人に見せたりしないように注意してください。
2.国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」を選択
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」のホームページのトップ画面で 「作成開始」をクリックします。
次の画面で提出方法を選びます。ここで「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」を選択し、確定申告データの作成を進めていきます。
この次の画面はマイナンバーを使った確定申告書作成と同じ画面なのですが、さらにその次の画面が違います。ここで利用者識別番号とパスワードの入力を求められます。
ここで、税務署でもらった控えを見ながら、利用者識別番号とパスワードを入力します。
すると、また確定申告書の作成画面に戻れます。
ID・パスワード方式のメリット
このように、ID・パスワード方式では
- マイナンバーカードを発行していない方
- マインバーカードを発行手続き中で手元に届いていない方
- マイナンバーカードは手元にあるが電子証明書の有効期限が切れていたり転居などでパスワードが無効になっている方
- スマホやカードリーダーなどマイナンバーカード内の電子証明書を読み取る手段がない方
- マイナンバーカードを紛失した方
が、e-taxでの電子申告を行うことができます。
税務署で本人確認を行っているため、利用者識別番号とパスワード(ID/パスワード)そのものを不正に発行することも難しいと考えられます。
ID・パスワード方式のデメリット
しかし、ID・パスワード方式には多くのデメリットもあります。
e-taxソフトでしか使えない。freeeなどの確定申告ソフトでは利用できない
一つ目はe-taxソフトでしか使えないということ。freee、マネーフォワード、弥生会計などの民間の確定申告ソフトから電子申告機能では利用できないということです。仕様上やむを得ないのですが、痛しかゆしです。
確定申告書作成コーナーで提出方法の変更ができない
これは以前から改善してほしい点として発信しているのですが、最初に確定申告書作成コーナーでマイナンバーカードをスマホかICカードリーダーで提出する方法を選んで確定申告のためのデータを入力していった場合、最後の電子申告の際に
- スマホがNFCに対応していなかった
- マイナンバーカードの電子証明書が期限切れだった
- カードリーダーが故障していた
などの理由で電子申告できず、急遽ID/パスワード方式に切り替えたい、提出方法を変更したいと思ってもできないことです。
確定申告書作成コーナーで一時保存したデータには、提出方法の部分も含まれてしまっているため、マイナンバーカードを使用して提出を選んだ状態で確定申告書の作成途中に一時保存した―データを読み取らせると、強制的に「マイナンバーカードを使用して提出」するしかない状況になってしまいます。
上記のような場合、確定申告書作成コーナーで「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」を選択し、確定申告データの作成を1からやり直さなければいけません。これはかなりイライラしますよね。
一度提出直前まで進んでいるのですから、なおさらです。
まとめ:マイナンバーカード無しでe-tax電子申告は可能 一度は税務署に行く必要がある
結論としては、マイナンバーカード無しでもe-taxでの電子申告は可能です。
しかし、ID/パスワード発行のために、一度は税務署に行く必要があります。